北海道大学研究集会2023
「ポストコロナ時代の言語教育におけるオンライン授業と翻訳AI・生成AIへの対応に関する研究」
開催日:2023年8月29日(火曜日)、8月30日(水曜日)
会場:北海道大学高等教育推進機構S講義棟S1講義室(対面・使用言語日本語)
参加費無料
こちらのサイトより参加の申し込みをお願い致します。
https://forms.gle/qYy7C6qeTb54GjCe6
※申込いただいた方には、改めてメールにて懇親会のご案内を致します。
開催趣旨
コロナ禍でオンライン授業を実施せざるをえなかった2021年に科研「学習環境要因と学習者の心理的欲求充足度」の事業の一環としてフランス語を履修している大学生を対象にしてアンケート調査を行った。オンラインの遠隔授業と教室でのリアルな対面授業という学習環境(授業形態)の差が学習者の心理的欲求充足度に与える影響を調べた。その結果、「自己決定理論」の3つの基本的心理的欲求のなかで友人や教師と繋がっていたいという「関係性への欲求」の充足度が二つの授業形態で明確な差があることがわかった。その差は何に起因しているのか。それは「身体性」だと思われる。リアルな対面授業には、オンライン授業にない「コミュニケーションの身体性」がある。
この公開研究会のもうひとつの目的は,翻訳AI・生成AIへの対応である。少し前まで専門家は翻訳AIの精度は9割程度と言っていたが、今やそれ以上である。DeepLなどの翻訳AIは、精度が日進月歩で向上していてもはやPost-editさえ必要がなくなる勢いである。さらに,ChatGPTなどの生成AIによって,いままで容易に実現でなかった外国語での対話が可能になってる。このような状況において今後どのような外国語教育をすれば良いのか。当座の翻訳AI・生成AI対策ではなくて、教育に翻訳AI・生成AIを積極的に導入することを前提にして、現在の外国語教育全体を再考する必要に迫られている。また,口頭のコミュニケーションは,VoiceTraなどの翻訳AIを用いる場合、それを有効に用いることができる領域が限定されていて、「コミュニケーションの身体性」が関係している可能性がある。
プログラム
総合司会 堀 晋也(北海道大学)
8月29日
講演
15:00 -15:45 田中彰吾(東海大学)
「対面とオンラインの会話の質的差異から考えるオンライン授業の意義」
15:45 -16:15 討論・質疑応答 指定討論者 堀 晋也
16:30-18:00 シンポジウム1
ポストコロナ時代の言語教育におけるオンライン授業のあり方
司会 柳 光子(愛媛大学)
堀 晋也
「ポストコロナ時代にオンライン授業は不要か?- 学習者の⼼理的欲求に関するアンケート調査を踏まえて」
杉江聡子(札幌国際大学)
「観光教育×情報教育×外国語教育の統合型PBLの実践、成果と課題」
田邊 鉄(北海道大学)
「学生が自律的にAIを使う授業」
18:45 懇親会
8月30日
講演 さあ、どうする? 翻訳AI・生成AI VS. 外国語教師
15:30-16:00 山田 優(立教大学)
「MTの外国語教育活用の利点と欠点~大規模言語モデル(ChatGPT)導入への序章~」
16:05-16:35 大木 充(京都大学)
「翻訳AI・生成AIを積極的に導入する授業のための教科書作成」
16:40-17:10 酒井志延(千葉商科大学)
「どうする英語教師 第2話 — AIが進化する時代において」
17:30-18:15 シンポジウム2
翻訳AI・生成AIと授業との共存 終焉の始まりから再生への道へ
司会:田邊 鉄
シンポジスト:山田 優、大木 充、酒井志延
開催実行委員
堀 晋也(北海道大学) 田邊 鉄(北海道大学) 長野 督(北海道大学) 大木 充(京都大学)
詳しい情報をお知りになりたい方は、堀(s-hori@imc.hokudai.ac.jp)までご連絡をお願いします。
この研究会は、2023年度北海道大学情報基盤センター萌芽型共同研究『ポストコロナ時代の言語教育におけるオンライン授業と機械翻訳への対応に関する研究』(研究代表者:堀晋也)の支援を得て実施されます。一部は,科研費による研究『学習環境要因と学習者の心理的欲求充⾜度』(21K00677)(研究代表者:大木充),『複言語・複文化を意識した省察に特化した言語ポートフォリオの開発』(23K00718)(研究代表者:堀晋也)の協力を得て実施されます。
最新版のプログラム(発表要旨、講演者のプロフィール、会場へのアクセス)についてはこちらよりダウンロードしてください(随時更新)。
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