一般社団法人 日本外国語教育推進機構 (Japan Council on the Teaching of Foreign Languages) 設立趣意書
21世紀を迎え、グローバル化がますます進み世界の環境は様変わりしました。ありとあらゆる人間の活動が相互に結びつきを強め、一つの国や地域という文脈だけで物事を捉えることができなくなりました。社会がさまざまな言語や文化的背景をもった人びとで作られているという視点が益々重要になってきております。
そうした時代背景において、日本の外国語教育は今の英語教育一辺倒のままでよいのでしょうか?国際コミュニケーション言語としての英語の実用性・汎用性は際立っており、日本の外国語教育における英語教育の重要性は言うまでもありません。しかし、世界には数千以上とも言われる言語が存在し、多種多様な文化が、世界の隅々にまで息づいている事実を見落としてはなりません。その意味で、私たちは複雑で多様な現実と直に向き合って適切に関わり、社会を安定的に繁栄させていくことが必要不可欠であり、その状況に柔軟に対応できる有為な人材の恒久的な育成が求められています。その為にも多様性をもち内容が豊かな外国語教育こそが今の時代と社会に相応しい人材づくりのために急務であると言えるのではないでしょうか。
このような問題意識のもとで、これまでの日本の外国語教育界の積年の課題、すなわち、
①多様な外国語教育関係学会・団体を横断的に結びつけ、連携・協力を図る組織をつくる
②多様な外国語教育に係る活動についての情報を幅広く提供する場を設ける
③中等教育、特に高等学校における多様な外国語教育の普及を制度的に推進する
の解決を現実のものとする為に、このたび、「日本外国語教育推進機構Japan Council on the Teaching of Foreign Languages(略称:JACTFL)」を設立する運びとなりました。
私たちは、あらゆる言語、教育段階の垣根を超えて外国語教育関係者が連携・協力することでこれまで実現できなかった課題の克服が可能になると考えています。具体的には、外国語教育(外国語としての日本語教育も含む)の重要性を国内外にアピールし、多言語・多文化が共生するグローバル社会に対応する多様な外国語教育を推進することを通じて、我が国における外国語教育及び外国語学習の質的向上と普及を図るとともに、新しい時代を生き抜く若い世代の育成と我が国の学術振興及び諸外国との相互理解に寄与して参る所存です。
平成24年12月吉日
発起人:
山崎吉朗(一般財団法人日本私学教育研究所)
吉田研作(上智大学)
中野佳代子(国際交流基金)
臼山利信(筑波大学)
神谷善弘(大阪学院大学)
境一三(慶應義塾大学)
迫田久美子(国立国語研究所)
當作靖彦(カリフォルニア大学)
西田浩子(公益財団法人かめのり財団)
藤井達也(埼玉県立伊奈学園総合高等学校)
水口景子(公益財団法人国際文化フォーラム)
山下誠(神奈川県立鶴見総合高等学校)
藤野昭雄(株式会社朝日出版社)
JACTFL設立に当たっては、各言語を代表する先生方のご賛同を得ています.
<私たちは、この機構の設立趣旨に賛同し、JACTFLの活動を応援します。>
石﨑 晴己 いしざき・はるみ
生越 直樹 おごし・なおき
尾﨑 明人 おざき・あきと
加藤 晴久 かとう・はるひさ
門倉 正美 かどくら・まさみ
兼若 逸之 かねわか・としゆき
金田一 真澄 きんだいち・ますみ
黒岩 幸子 くろいわ・ゆきこ
輿水 優 こしみず・まさる
小林 善彦 こばやし・よしひこ
嶋田 和子 しまだ・かずこ
杉谷 眞佐子 すぎたに・まさこ
田中 慎也 たなか・しんや
西原 鈴子 にしはら・すずこ
沼野 充義 ぬまの・みつよし
野間 秀樹 のま・ひでき
野村 二郎 のむら・じろう
平高 史也 ひらたか・ふみや
村上 公一 むらかみ・きみかず
森住 衛 もりずみ・まもる
古川 裕 ふるかわ・ゆたか
山田 眞一 やまだ・しんいち
油谷 幸利 ゆたに・ゆきとし
吉島 茂 よしじま・しげる
米井 巌 よねい・いわお
(敬称略、五十音順)
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